【7つの習慣】ものづくりエンジニア視点で分かりやすく解説します。

【7つの習慣】ものづくりエンジニア視点で分かりやすく解説します

世界中でベストセラー、スティーブン・R・コヴィー氏の名著『7つの習慣』について、エンジニアの皆様に腹落ちするよう、分かりやすく解説します。数々のビジネス書が世の中にありますが、多くがこの7つの習慣に書かれている事と同義の物が多く、改めて、著者が語るように、「原則は、時代を超え、普遍的で、自明の物である」という言葉に納得できます。

本記事では、この記事を読まれているものづくりエンジニアの皆様に、特にその中でもリーダ、マネージャ経験がある方の悩みが解決できるように、できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。

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7つの習慣とは

7つの習慣とは

7つの習慣とは何か、を表すのにふさわしい言葉、

人生において小さな変化を起こしたいのであれば、私たちの態度や行動に対し働きかければよいだろう。しかし、劇的な変化を望むなら、土台となるパラダイムを変えなくてはならない。

スティーブン・R・コヴィー

テクニックやスキルはもちろん成功に影響を及ぼしますが、長く続く効果性の根源は強い人格を作る必要がある。という事です。7つの習慣とは小手先の技術やテクニックではなく、考え方そのものを変え、習慣を変え、公私ともに裕福な人生を送る為の習慣を作る事です。

エンジニアとして就職し、数々の困難に直面された方も多いと思います。また、これからもいろいろな壁に直面していくと思います。1つ1つの壁を1つ1つのテクニックで乗り越えるのではなく、乗り越える為の土台となる考え方がこの7つの習慣に書かれていると、理解しています。

という私も、20歳代、30歳代後半までは、日々の忙しさに追われ、なかなか理解できませんでした。それがようやく理解できるようになった今、しっかりと記録を残そうという意味で記事を書きたいと思います。

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第一の習慣:主体的である

これは、言い換えれば自己責任の習慣です。

気分や感情によって相手を非難したり、自分のコントロールできない範囲に時間を使う、ネガティブなパターンから抜け出せない。といった習慣から抜け出し、自分の幸せの責任は自分自身にある。という考えの元、行動するという事、具体的には次の通りです。

■一旦停止して反応する

何かを言われ、カッとして暴言を吐いた経験は皆あると思います。その時何が起こったのか、後悔、不満、他責、犠牲者のような振る舞い。こういったネガティブな方向への作用しかなかったのではないでしょうか?エンジニアでは自分が設計した物、アイデアに対し、反対意見が出た時などはなりがちですね。

ここでの一旦停止して反応するとは、ある他の書籍には5秒待ってから反論してみる。という例もありましたが、このように一旦停止する事で、売り言葉に買い言葉にならず、言葉、指向に選択の自由が生まれる事があります。なぜそんな事を言うのだろう?と一旦冷静になり、本来はどのような効果を及ぼしたいのかを考える事をします。

自分のアイデアに不満がある事を言われた時、この人はどうしたいのだろうと一旦立ち止まる事で、反応的な行動ではなく、主体的な行動をとる事が出来ます。

■主体的な言葉を使う

これはすぐにでも実戦可能な内容ですが、言葉1つで、相手に対する印象、自分の気持ちの持ち方が変わります。主体的な言葉とは、例えば次のような表現です。

  • できます
  • 申し訳ありません
  • 〇〇することにします
  • やり遂げてみます

対象となる反応的な言葉

  • できません
  • 私のせいではありません
  • 〇〇しなければならない
  • 私にはさせてくれない

間違えてはいけないのは、「~できます」というのは出来ない事をできると言いなさい。という意味ではありません。他責、他人事にせず、自責ととらえて発言する事を意味するという事です。

■影響の範囲にフォーカスする

この意味ですが、物事には自分でコントロールできる事とコントロールできない事の2種があります。自分でコントロール出来ない事にフォーカスすると、自分でコントロール出来る事に使える時間、エネルギーを浪費してしまう。つまり自分でコントロールできない事に力を使う事は無駄である。という事です。

例えば、エンジニアの例でいうと、目標価格設定が決まり、コストダウンする。という状況があった場合、

・目標価格の設定:コントロール外。

・コストダウン:コントロール内。

である場合が多いと思います。コントロール外の事に不満はありますよね?それは当然ですが、そこに不満をいくら持っても変わらない事実。コントロール内の自分が出来る事に集中し、無駄なエネルギーを使わずに自分のコントロールできるところに注力しましょう。という事です。

その結果、自分の知識や経験が広がり、結果として、コントロールできる範囲が広くなっていきます。

■流れを変える人になる

非効果的な過去の行動パターンを断ち切って、主体的な行動で周囲を助け、効果的な行動パターンをもたらす人物になろう。という内容です。

これは少し難しいですが、「この人に救われた」「この人のようになりたい」といったように、尊敬したり、人生を変えるような人に出会った経験があるのではないでしょうか?その人に何をされ、自分の気持ちが変わったのか?それを思い出してみると、きっとこの7つの習慣の何かに当てはまるアドバイスや、行動をとられていたと思います。自分もそういう人になるようにしていこう。という事です。

第二の習慣:終わりを思い描く事から始める

■結果を明確にしてから行動

これはよくビジネスでは言われる事ですね。エンジニアでいうと、

  • ミーティングのゴールが設定されているか?
  • プロジェクトのゴールが設計されているか?

ゴールの無いタスクは時間の浪費しか生まないですね。人生のゴールも同じです。この7つの習慣で、たぶん一度読んだら絶対に忘れない内容。

自分が死ぬ時、なんと言われたいですか?(自分のお葬式を想像して、参列者の記憶にどのように残りたいか)

一度考えてみましょう。仕事、プライベートでの自分の今の役割それにかかわる大切な人。

その大切な人が、あなたへ感謝と称賛の言葉をかけてくれるとしたら、なんて声をかけてもらいたいですか?

そしてあなたはその言葉をかけてもらえるような行動をとっていますか?

これを考えると、おのずと自分の目標、目指す場所が見つかってくると思います。これを読んだ時、私はスティーブジョブズの最後の言葉を思い出しました。

他の人の目には、私の人生は、成功の典型的な縮図に見えるだろう。

しかし、仕事をのぞくと、喜びが少ない人生だった。人生の終わりには、富など、私が積み上げてきた人生の単なる事実でしかない。

(略)

私がずっとプライドを持っていたこと、認証(認められること)や富は、迫る死を目の前にして色あせていき、何も意味をなさなくなっている。

(略)

私が勝ち得た富は、(私が死ぬ時に)一緒に持っていけるものではない。私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。

スティーブ・ジョブズ

第三の習慣:最優先事項を優先する

今は出来ていないが、日ごろから行っていれば現在の生活に大きな違いをもたらす事は何でしょうか?

人それぞれで異なると思いますが、例えば「英会話」もその一つです。

こちらも有名なマトリクスですが、物事のタスクには大きく4つに分ける事が出来ます。

  1. 重要かつ緊急
  2. 重要だが緊急ではない
  3. 重要ではないが緊急
  4. 重要ではなく、緊急でもない

90%くらいのエンジニアの方は「1」しかできていないのではないでしょうか?または「3」に時間を使わされている方も多いかなと思います。

「1」は顧客からのクレーム、不具合対応、等。

「2」が自己啓発に当たる部分。将来の為の自己投資。

「3」は不必要なレポート、会議資料の作成等ですね。

「4」は些細な仕事、例えば試作品の出荷準備とか。

この中で重要な事ななんでしょうか。「2」の時間を設ける事です。ただし、エンジニア観点で言うと、バランスをとって実施する事が重要かと考えます。

日常の多くの業務が「1」。「1」をおろそかにしていいかというと、ダメです。会社として必ずしなければいけない内容。ただ、これだけを毎日実施していると、結果、精神的にしんどくなってきます。

では「3」をずっと実施した場合どうなるでしょうか?モチベーションはあがりませんね?かつここに時間を使っていては、重要な事が出来なくなります。

「4」はどうでしょうか?多分こればかりしていたら、エンジニアは首になります。

ではどうすべきか?

まず「3」の時間を減らす努力をする。例えば、定型フォーマットを作り、資料作りを簡略化したり、自動ツールを導入し、効率化、DXの活用ですね。その上で、自分のタスクの中に「2」をあらかじめ入れ込む。先に入れておかないと、「1」にスケジュールが埋め尽くされてしまいます。その中で時々「4」を入れる。これは息抜きです。このバランスを保つ事を努力していくと、そのうち理想的な姿になっていくと思います。

「2」に関しては、例えば、セミナーの日時をあらかじめ入れておく、や、英会話の時間を予約して決めておく、といったように、あらかじめ決めておく、かつ費用がかかる案件として入れておくと、「1」が割り込もうとした時も、はねのける事が出来るようになると思います。

最優先事項は「重要だが、緊急でない」案件。そこの時間をどれだけさけるかが、ポイントです。

第四の習慣:WinWinを考える

第四の習慣:WinWinを考える

人間関係や社会関係には次の6つの種類があります。

  • Win-Lose
    • 私は勝って、あなたは負ける。
  • Lose-Win
    • 私は負けて、あなたが勝つ
  • Lose-Lose
    • 自分が勝てないなら、相手も勝たせない
  • Win
    • 自分さえ勝てれば、相手はどうなっても構わない
  • Win-Win
    • 双方にとって機能する解決策を探る

勝負の世界であるビジネスでは、一昔前は自分さえ勝てれば良い。という風潮もありました。しかしながら自分が勝つことばかり考えると、結果どうなるでしょうか。軋轢が生まれ、相手を蹴落とす事を考えるようになります。

交渉相手がチームのメンバ、部下だったらどうでしょうか?Win-Loseでは仕事が回らなくなる事は目に見えてますね。一昔前であれば、昇給の為に嫌いな仕事もする。という事もあったかもしれませんが、昇給もあまりなく、年功序列が残った日本企業で、嫌な仕事を押し付け、命令だけする上司がいたらどうでしょう。効率が落ちる事は目に見えていると思います。

Win-Winの関係とは、お互いを尊重し、双方の利益を追求する、競争ではなく、協力を仰ぎ、コミュニケーションを図る。という事です。

つまり自分側の「交渉可能な幅」と相手側の「交渉可能な幅」の間で、お互いの譲れるところを譲り、譲れないところを尊重し合うことで、納得感のある合意を取ることを指します。

エンジニアの例で言うと、あるリーダが仕事を割り振る時、メンバーのWinも考えなければいけません。リーダはその仕事をメンバにやってもらう事がWinになりますので、押しつけがちですが、メンバから見たら、単に仕事をする事がWinではなく、「仕事を通じて成長する」「その仕事を得て、報酬をもらう」といったWinを持っています。仕事の質と、相手のWinを考え、最適な人材へ仕事を割り振り、Win-Winの中で仕事をする。これが、重要だと思います。

第五の習慣:まず理解し、そして理解される

聴きなさい、でないと、お前の舌がお前の耳をふさいでしまう

アメリカのことわざでこのような言葉があるように、聴くという事は非常に重要な行動です。これに関しても、多くのビジネス書でも言っていますね。

その為には、自分の経験、先入観、思い込み、価値観を持たずに、ただただ、共感する事が重要です。

つまり、相手を理解しようとして聴く事です。

そうする事で、話し手はもっと話してくれるようになります。その話を聞いた後に、自分の考えを理解してもらう。絶対にしてはいけないNG例は下記。

  • NG例1:自分の視点から質問、アドバイスする
  • NG例2:聞かれていないのに、賛成したり、反対したりする
  • NG例3:聞かれていないのに、問題に対し、助言やアドバイスし、解決策を出そうとする
  • NG例4:話しての行動、言動を分析しようとする

どうでしょうか?当てはまりませんか?逆の立場(話し手)の時にしてほしくない事を聞き手に回った時は何故できないのでしょうか?と私も思います。

話をしている時に、急に自分の話を聞き手がし始めた時、「お前の話はいい」と感じた経験ありますよね。それです。

質問は、相手の話から生まれてくる物。相手の話を共感し傾聴、明確化の為の質問をし会話をすすめる。例えば、

メンバ
メンバ

この職場本当にもううんざりです。

リーダ
リーダ

✖:昔は職場はこんな感じだった。これが普通ですよ

(自分の話をする)

〇:この職場に相当不満がたまっているみたいだね

(共感による反応)

メンバ
メンバ

すごく不満があります。

リーダ
リーダ

✖:**してみたらどう?

(聞かれていないのにアドバイス)

〇:どの辺に不満を感じているのか話してくれますか?

(明確化の為の質問)

こんな例のような簡単な内容は実際にはないですが、

相手の話を聞き、気持ち、感情を理解する。理解する為には、相手が言った内容を反復し言葉に出す事で、相手は理解されているという気持ちになります。そして、相手が自分は完全に理解されたと感じている事がわかったら、相手を尊重しながら心を開いて自分の言葉で話す。

これを実践するには多くのスキルを必要しますが、詳細は書籍にてご確認頂ければと思います。

第六の習慣:シナジーを創り出す

1+1が2ではなく、3にも4にもなる事をシナジーと言います。

■シナジーが創り出せていない時

シナジーを創り出せていないという事を、他の言葉に言い換えると、「敵対している」「防衛している」「妥協している」という言葉に置き換える事が出来ます。

もう少し言い換えると、2者の意見に対し、違いを拒絶するか、我慢する。その結果、終わりの姿が見えず、意欲の欠如が発生し、少ない選択肢の中から選択する事で、ありきたりで創造性が無く、つまらない結果に終わってしまう事です。

会社の合併や組織の合併、チームの合併にはよくありがちな状況かと思います。ものすごく優秀なエンジニアが2名して、その2名が同じチームになった場合、シナジーがだせる事が出来るでしょうか?会社が合併した場合、シナジー効果が出せるでしょうか?特に力が均衡している物同士のシナジーを出すには、それを意識し、この後に説明するような手順を皆が考え実行しないと難しいと思います。

そこをマネジメントする事が、リーダやマネージャの役割だと私は思っています。

■シナジーが創り出している時

シナジーを創り出されている状況というのは、言い換えると「第3の案が出ている状態」の事を言います。気持ちの変化として、「新しい何かを感じ、エネルギーを感じている」「新たな視点から物事が見えてくる」といった気持ちになった時、それはシナジーが出せていると思ってもよいのではないでしょうか?「アハ!体験」という言葉が昔ありましたが、それに近い物だと私は思います。自分では考えつかなかったアイデアを体験し、そこに次々に新しいアイデアが生まれるという体験を、1度は経年されている方もいると思いますが、その状態をシナジーが出ている状態と言ってよいと思います。

では、偶発的にではなく、意図的にシナジー効果を出すにはどうしたらよいでしょうか?重要な点は次の項目です。エンジニアが製品を問題解決、新しい製品を考えたり、特許を検討する時によくブレーンストーミングをすると思いますが、その時にこの考えは非常に有効です。これを壁に貼ってブレストすると、非常に効果あります。

  1. 意欲的に取り組む(一番重要)
    • 第三の案を探す積極的な姿勢が必要
  2. 明確な終わりを描く事(ゴールを明確にする)
    • 解決すべき課題を明らかにし、お互いの意見がその課題解決に結びつくかをよく考える
  3. まず理解し、理解される(相手の話を聞く)
    • 第5の習慣であるように、相手のアイデアをよく理解した上で相手を尊重し自分のアイデアを説明する。
  4. 他の選択肢(第3の案)を探す(シナジー効果を出す)
    • お互いのWinを考える
    • 批判しない
    • 質より量で多くのアイデアを出す
    • 他の人のアイデアを発展させ、組み合わせる
    • 斬新なアイデアを激励する
    • 細かい事にはとらわれない
    • すべて記録しておく

第七の習慣:刃を研ぐ

第七の習慣:刃を研ぐ

最後は、毎日の自己再生の習慣を作る事です。原本を見ていただくと分かりますが、この習慣は1~6の習慣を囲うように描かれており、根幹となる考え方です。バランスのとれた最新再生のアイデアとして、次の4点があり、それらを充実するような習慣を自ら考え実践、継続していく事が重要です。

  • 肉体
  • 知性
  • 情緒
  • 精神

「毎日の私的成功」は、実戦そのものである。あなたという人間の4つの側面を再新再生するために毎日繰り返すパターンであり、決まった行動である。私的成功があってはじめて公的成功を達成できる。「毎日の私的成功」は、すべての決断とすべての人間関係にポジティブな影響を与える

肉体、知性、情緒、精神が安定する生活を送り、心身ともに健康でいられる事。その状態を作る事が、1~6の習慣を実行する為に必要な土台となり、基礎になる。7の習慣が身に就けば、他の、1~6の習慣を実現可能にする。そして、1~6の習慣を実行する事で、肉体、知性、情緒、精神がさらに安定し、相乗効果が出てきます。そのサイクルを作る1つの手助けにこの記事がなれば幸いです。

以上となります。ありがとうございました。

下記のロジカルシンキングもエンジニアにとって有益だと思いますので、リンクしておきます。よろしかったらご覧ください。

->【本当に役立つ】ロジカルシンキング(論理的思考)、問題解決の手法

アジャイル開発手法もよろしかったらご参照ください。

参考:今更聞けない、アジャイル開発のスクラムの進め方と各プロセスの説明

7つの習慣は、まんがも非常に分かりやすいので、もしよろしければご覧ください。

30年前の教えが今でもというのはすごいですね。

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