ものづくり系の企業で働いている方、今の会社で将来年収がどこまで上がるのか、気になっている方は多いのではないでしょうか?結論からいうと、日本のものづくり系の企業で年収2000万を達成するのはかなり難易度が高いですが、無理ではありません。本記事では、ものづくり系のエンジニアが、そのスキルを活かして年収2000万を達成するには、どうすれば良いか、どんな企業であれば達成できるか、実際の求人情報を元に紹介していきたいと思います。
年収2000万の割合
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、下記のように、年収2000万を超える人の割合はかなり低い事が分かります。このデータは全市民によるものなので、ものづくり系のエンジニアに当てはめると、さらに少ないのではないかと推測します。
年間給与
2,000万円超2,500万円以下の人は、全体の0.2%。
2,500万円超の人は14万5,000人、全体の0.3%
年収2000万の手取り額
年収が2000万に到達するサラリーマンの手取りはどの位なのでしょうか?人によって条件が異なりますので一概には言えませんが、おおよそ下の表のようになります。税金がすごい為、想像より手取りは少ないと思われるかもしれませんが、月に100万以上は手取り額として入る事になります。
年収 | 所得税 | 住民税 | 社会保険料 | 手取り | 手取り(月額) |
---|---|---|---|---|---|
1000 | 82 | 64 | 123 | 731 | 60.9 |
1050 | 93 | 69 | 126 | 762 | 63.5 |
1100 | 104 | 73 | 129 | 794 | 66.2 |
1150 | 115 | 78 | 131 | 826 | 68.8 |
1200 | 118 | 83 | 134 | 865 | 72.1 |
1250 | 134 | 88 | 136 | 892 | 74.3 |
1300 | 149 | 92 | 139 | 919 | 76.6 |
1350 | 165 | 97 | 142 | 946 | 78.8 |
1400 | 181 | 102 | 144 | 973 | 81.1 |
1450 | 196 | 107 | 147 | 1000 | 83.3 |
1500 | 212 | 111 | 149 | 1027 | 85.6 |
1550 | 228 | 116 | 152 | 1055 | 87.9 |
1600 | 243 | 121 | 155 | 1081 | 90.1 |
1650 | 259 | 125 | 158 | 1108 | 92.3 |
1700 | 275 | 130 | 158 | 1136 | 94.7 |
1750 | 291 | 135 | 158 | 1165 | 97.1 |
1800 | 308 | 140 | 159 | 1193 | 99.4 |
1850 | 324 | 145 | 159 | 1222 | 101.8 |
1900 | 341 | 150 | 159 | 1250 | 104.2 |
1950 | 357 | 155 | 159 | 1279 | 106.6 |
2000 | 374 | 160 | 159 | 1307 | 108.9 |
マイナス面もあり。年収が高いと不利になる制度
日本では、所得税が累進課税となっている事もあり、各種制度面で不利になるケースも多々あります。それらを紹介しておきたいと思います。
- 給与所得控除が固定化される
- 年収850万を超えると、控除額が上限の195万に固定される為、それ以上の収入になると控除の割合が小さくなっていく。
- 配偶者控除が受けられない
- 所得金額が900万を超えると、控除額が減っていき、1000万を超えると控除が受けられない。年収でいうと、約1300万くらいから減額されていき、約1500万位で控除が受けられなくなる。
- 児童手当が減額
- 年収960万以上だと、子供1人につき一律5000円の支給へ減額。2022年10月からは、夫婦どちらかが年収1200万以上の世帯は手当が廃止される予定。
- 高校無償化が受けられない
- 「高等学校等就学支援金制度」を活用でき、公立高校であれば実質的に学費無償で通うことができますが、おおむね年収910万以上だと制度が適用されない可能性がある(条件による)
年収2000万超の場合は確定申告が必要
給与所得者の場合は、基本的に確定申告は不要ですが、年収2000万を超える場合は、原則確定申告が必要となります。
節税対策として、給与所得者が使える節税方法としては決定的なものはなく、個人事業主のような節税手段は使えない為、節税を考えるのであれば、副業による事業所得や不動産取得を得たうえで青色申告を行い、青色申告特別控除を受けるといった対策を考えたほうが良いかもしれません。
年収2000万到達は困難?
まず、年収2000万の難易度がどのくらい高いか、経済産業省がまとめている「未来人材ビジョン」から見ていきましょう。このグラフによると、日本の場合、一般的な課長の給料が約1000万、部長の給料が1500万~1600万と書かれています。残念ながら、他の国と比べても劣っている事がわかります。
会社にもより違いはありますが、日本の物作り系の企業でも、一流企業の課長で1000万前後。部長で1500万前後ですので、2000万に到達するには、部長以上、役員になっていく必要があります。厳しい世の中です。
参考:外資系の自動車部品メーカー、マネジメント層の年収及び働き方を解説
年収2000万を超える求人
それでは、難易度の高い、年収2000万を達成できる企業とはどのような企業なのでしょうか?年収2000万で検索した求人の中で、ものづくり系もしくはそのスキルが活かせる企業を紹介したいと思います。すべて外資系企業です。
- 華為技術日本株式会社
- ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:Huawei)の日本法人です。スマホ関連の開発を始め、モータやインバータ開発など、かなり沢山の職種による求人があります。下記の求人は一例となります。
- OPPO
- OPPOの日本研究所です。スマホ関連の求人が多いですね。こちらも中国の企業でスマホ業界では世界的に有名になってきています。エンジニアやプロジェクトマネジメントの募集が多いです。
- プロマネの業務は下記参照お願いいたします。
- 参考:【募集要項実例】プロジェクトマネージャに絶対必要なスキル教えます。
- 日本美的株式会社
- 聞き慣れないかもしれませんが、中国の家電メーカです。美的集団(Midea Group)は、2017年ドイツKUKA社を傘下にし、正式に自動化業界に参入。生活家電・自動化・AIoTの三本軸に開発投資を注力している企業です。
- ドイツKUKAとは産業ロボットのメーカです。参考までに下記をリンクしておきます。
- 参考:もうそこまで未来が来ている!産業用ロボットの市場規模と未来予測
- 参考:協働ロボットの市場と各メーカの特徴比較。これからの主役は協働ロボット
- アマゾン及びAWS
- amazon や AWSも最近は自動車産業、ロボティクス産業の経験を持つエンジニアを募集しています。Amazonではアレクサ関連、倉庫内で働くロボット関連のエンジニア。AWSではサーバ関連ですが、ものづくり企業への売り込みが盛んな為、ものづくり業界を良く知っている人材を求めているようです。
- アマゾンを受けようと思っている方は、独自の思想である、OLPというものを予習する必要があります、下記参照頂ければと思います。
- 参考:Amazonが重視する「14の基準」OLPと日本企業とのギャップを考察
- アクセンチュア
- 有名なコンサルファームです。外資系コンサルタントですが、工場に向けてのDXが盛んな為、日本のものづくり企業向けのコンサルタントとして、ものづくり業界の人材を求めております。
見ていただいて分かるように、外資系ばかりです。もしかしたら、私の知らない企業が他にあるかもしれませんので、もし御存じの方がいたらコメント欄で、教えていただければと思います。
まとめ
ものづくり系のエンジニアが年収2000万を達成するには、次の4点の方法があります。
- 日本の一流企業で、役員など、部長より上の格付けを目指す
- 中国企業(Huawei、OPPO、日本美的集団)の日本の研究所へ転職する。(他にも外資で日本に研究所がある企業の中には2000万達成できる企業があるかもしれません。)
- アマゾン&AWSでエンジニア関連求人を探し転職する
- アクセンチュアの製造業向けコンサルタントへ転職する
転職に関しては下記のサイトもご参考にどうぞ。
参考:ビズリーチの活用とリクルートエージェントとの比較。年収を上げる方法と、オファーの実例紹介
参考:40歳以上でも合格可能!物作り系の外資系企業に転職する為に必要な5つの手順
スキルアップには下記のページを参考にどうぞ。
参考:収入アップの為の、おすすめプログラミングスクール3社を紹介します
年収2000万を目指そうと思うと、通常の転職サイトよりも、ビズリーチやLinkedinを活用した、オファーを待った方が現実的ですが、それぞれ転職サイトに登録し、良い条件の案件をもらう事も1つの方法ですので、リンクを張っておきます。ご興味があればご覧ください。
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