これからものづくりエンジニアになる方、またはモノづくりエンジニアとして働いている方、コロナ渦で、中には残業規制も厳しくなり、なかなか給料が上がらず、開発費も削減され、やりたい事が出来ず、もやもやしながら働いているエンジニアの方も多いと思います。
もっと自由に働きたい。自分のやりたい事をやって暮らしたい。そういった思いをもって日々葛藤されている方、そして、どこかで聞いたことがある「FIRE」という言葉。このまま働き続けてエンジニアは生涯どの位の給料が得られるのか?やりたい事をやりながら暮らして行けるのか?エンジニアってFIREできるの?
そういった疑問にお答えいたします。
本記事では、FIREとは一体どういった状態の事を言うのか?エンジニアの生涯年収は?エンジニアはどうすれば1億円貯めてFIRE出来るのか?説明していきたいと思います。
FIREとは
FIRE: Financial Independent Retire Early = 経済的自立、早期引退
FIREの定義はこの通りです。つまり好きな事して生きて行く。もっと言えば「働かないで生きて行く」
エンジニア皆様。エンジニアリングが本当に好きで、今の会社が本当に好きで生涯働きたい。と思われている方は、FIREする必要はありません。
しかしながら、長年同じ会社で働いていると、中には独立したい。もっと違う仕事がしたい。と思われている方も多いと思います。特にエンジニアの方は特異技術がありますので、尚更その思いが強いのではないかと思います。
ただ、それが簡単に出来るでしょうか?なかなか難しいですよね?生活がある為、最低限の収入は必要であり、家族がある方は家族を養い、子供がいる方は子供を学校に入れる費用が必要があり、その為にお金が必要です。
急に会社を辞め、独立して好きな事を初めても、失敗した時のリスクを考えると、尻込みしてします。多くの方がそうではないでしょうか?
ただ、どうでしょう?もし独立し失敗したとしても、一定の収入が得られる保証があったら。働かない状態が続いても、生活できる基盤があったら。
挑戦できるのではないでしょうか?やりたい事があってもやっぱり生活があってできない。それを解決してくれるのが、「FIRE」だと私は理解しています。私ももっと若い時に知っておくべきでした。
今からでも遅くありません。皆でFIRE目指し。生活の為に働くのではなく、会社に縛られず、好きな事をやって生きて行きましょう!
エンジニアの年収の現実
少し夢の無い話になってしまうかもしれませんが、まず現実を直視するという意味で、モノづくりエンジニアが50歳までに得られる給料をざっとまとめたいと思います。
今回のテーマが「FIRE」ですので、50歳前後でFIREを目指す事を想定し、50歳時点で、モノづくりエンジニアがどの位の貯蓄を持つことが出来るのか?をシミュレーションします。
※モデルケースの経歴としては、地方の国立大学、もしくは大学院を卒業し、就職偏差値B以上のものづくり企業で働いている方のモデルケースで説明します。モデルケースとしてはかなり年収が高い部類かと思いますが、あえて高いモデルケースとしております。日本のエンジニアの上位10%くらいの部類になるモデルケースです。
【収入例】
20歳代:月収 23万 年収例:約391万 手取り約280万
30歳頃:月収 32万 年収例:約560万 手取り約400万
35歳頃:月収 42万 年収例:約720万 手取り約530万
40歳頃:月収 58万 年収例:約1000万 手取り約870万
45歳頃:月収 68万 年収例:約1160万 手取り約935万
25歳~50歳:総手取り1.5億
【支出例】
生活費:20歳代 月10万x12カ月x5年 = 600万
30歳代 月25万x12カ月x10年 = 3000万
40歳代 月35万x12カ月x10年 = 4200万
25歳~50歳:での支出合計:7800万 + 住宅(4000万)= 1.2億
上記モデルケースで見ると、50歳の時に総手取り1.5億ー支出合計1.2億で、貯蓄3000万です。住宅は地方の土地付き一軒家4000万をモデルケースにしておりますが、高ければ高いほど、圧迫されます。
バラつきはありますが、生活費はおおよそ400万とあれば問題なく生活できると言われておりますが、このモデルケースで50歳時点で会社を辞めてしまうと、約8年目で資産が0になってしまいます。
これはかなり高収入な例で説明していますが、残念な事に日本の企業と税金のシステムでは、エンジニアとして、一流と言われる企業で働いた場合においても、このようなモデルケースとなり、このままでは絶対にFIREは出来ない。というのが現実です。
それではエンジニアが働きながらFIREを目指し、独立、やりたい事をして生きて行くにはどうすればよいのでしょうか?次のトピックで説明していきたいと思います。
参考までに、エンジニアの年収に関する記事は下記にもありますので、ご参考までに。
モノづくりエンジニアが転職で1000万の年収を得る為の方法教えます
FIREできる資産を得るには?
まず、初めに社会人は次の4つのタイプに分かれる事を理解する必要があります。会社員として働いている、モノづくりエンジニアの方のほとんどは「1」の従業員、中には「2」の専門家に分類されると思います。定義は次の通りです。
- 従業員
- 時間をお金に換えている。エンジニアとして成果物の完成度にあまり依存せず、会社員として定額の給与を得ている。
- 専門家
- 能力をお金に換えている。エンジニアとしての成果物そのものをお金に換えている。出来栄え、難易度によって収入が変化する。
- 経営者
- 人をお金に換えている。従業員や専門家を雇い、彼らの成果により売上を上げている。
- 投資家
- お金をお金に換えている。株式投資、投資信託等の配当金、利回りからお金を生んでいる。
もう一度、FIREするとは
もし独立し失敗したとしても、一定の収入が得られる保証があり。働かない状態が続いても、生活できる基盤を作る事。と説明させて頂きました。
つまり、職を失い、給与収入がなくなったとしても一定の収入を得て生活するには、どうすればよいのか?
お金をお金に換える状態を作る。
いわゆるお金でお金を生むマネーマシンを作る必要があります。これはエンジニアだけではなく、すべてのサラリーマンがそうだと思います。専門知識があり、専門家として副業をしていても、辞めた時点で収入がなくなります。もちろん従業員である事も会社を辞めたその日から収入がなくなります。
働かなくても収入がある状態が作れたらどうでしょう?なんでも自由にできますよね?独立して起業しても良いし、海外で生活しても良いし、自分の好きな事を給与に関係なく選択できる状態になります。
それではどうやってお金からお金を作っていくのでしょうか?
結論は投資のリターンで生活できるようにする。という事です。次のトピックでもう少し深堀していきたいと思います。
FIREの為に1億円を目標にする理由と方法
投資のリターンだけで生活する。お金をお金に換えて生活をする。そうする事で、働かなくても一定の収入が得られるようになり、はじめて、自由にやりたい事をやって生活できるようになります。
なーんだ。株か?
と思われた方。違います。今、「株か?駄目だな。」と思われた方。大半がアクティブ投資の事を頭に描いていると思いますが、ここでの投資とは、インデックス投資となります。
インデックス投資とは、世の中の景気や経済など市場全体の動きを表す指標(インデックス)への投資する投資信託です。どこかの特定の企業に投資して、当たれば儲け、倒産したら共倒れする、アクティブ投資ではありません。
なぜインデックス投資かというと、「多くのインデックスが長期目線で見ると上昇し続けており、インデックスに連動させておくだけで儲かるから」です。特に米国は優れていますね。こんな見せ方は誤解を招く恐れがあるのであまりよろしくないのですが、例えば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の投資信託の実際のパフォーマンスはこんな感じで右肩上がりになっております。一例としてお受け取り下さい)
ほとんどのアクティブファンドの投資家が長期目線ではインデックス投資に敵わないというデータもあります。
投資の種類の解説は、また別の機会にさせて頂くとして、本題に戻ると、重要な事は「支出」「投資」「収入」の考え方です。
- 毎月に必要な支出を考える
- 支出を考慮し、いくら投資する必要があるのか考える
- 投資の収入が必要な支出を上回った時点でFIRE。
上記モデルケースでいうと、
「1」の支出は400万。「2」の投資は1億。「3」の収入は1億の4%の400万。これでFIRE可能という事になります。
少し説明致します。
必要な支出が上のモデルケースに従い約400万だとします。400万の年間支出を補うリターンを得ようとしたら、約1億の投資が必要となりますが、その考え方は次の4%ルールに従う事となります。投資額は1億、その4%がリターンとして得られ、それが目標支出の400万を上回る仕組みを作る。という事です。そうする事で、元本を失わず、30年以上生活できる。という理論です。
4%ルール:投資額の4%以内で年間生活費を賄うことが出来れば、30年以上元本そのままである確率が95%である。
4%ルールに関する詳しい説明は下記
といっても、1億って無理じゃん。4%のリターンってどうやってつくるの?と思われている方。多いと思います。私もその1人でした。1億円を投資にまわすにはどうすればよいか?
定額積み立てx投資信託 でドルコスト平均法を用いる事で、複利の力でマネーマシンを作る。
例えばS&P500に投資する投資信託では利回りが年間約4.5%~7.5%前後(過去の実績)で推移しており、ドルコスト平均法で積み立てる事で実現し、必要な資産を作っていきます。(これらの投資に関する記事は別途記載していきます。)
ここでの最大のポイントは「複利の力」と「ドルコスト平均法」を使うという事です。それを素人が簡単にできる手段が「インデックスファンドの投資信託」です。
複利の力とは、 「利子にもまた利子がつく」ことです。例えば 100万円をリターン3%の投資信託に投資すると→103万円になる。 103万円をリターン3%でもう1年預けると→106万円ではなく、106万900円になる。そういった感じです。
ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続ける手法です
インデックスファンドは、具体的には次の物なんて有名ですね。
インデックスファンドで有名所は下記です。
・SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))
利回りはいろいろな記事によりばらつきがありますが、S&P500を例にみると、過去の実績より、その利回りが4.5%~7.5%。1億投資すれば、結果400万の年間収入を得る事ができFIREできる。というのが1つの例として挙げられます。
仮に年間支出が300万だとしたら、必要な総資産は少し減らす事ができますし。この辺りは自身の生活と、目標により決定していく必要があります。
それではエンジニアが上のモデルケースで1億の資産を得るには、毎月どのように投資に回していく必要があるのでしょうか?
支出を出来るだけ抑える事が前提となりますが、貯金の代わりにインデックス投資を次の金額実施するという前提でインデックス投資をしていくと、複利の力で、約45歳前後(約20年)で1億の資産を得る事が出来ます。貯金よりもはるかに資産が貯まる事は目に見えて分かると思います。
■25~30歳:10万/月
■30~35歳:15万/月
■35~40歳:20万/月
■40歳~ :25万/月
これは投資額が早い時期に多ければ多いほど早くなりますし、年間支出を何処に設定するかで大きく変わってきますので、個人によって変わってくると思いますが、約20年、エンジニアとして働きながら、投資を継続していけば、約20年後にはFIRE出来、丁度、45歳油の乗っているタイミングで、起業であったり、自分が本当にやりたい事をする事が出来るようになります。平坦な道ではありませんが、一つの人生の選択肢として考えるきっかけになればと思います。
✓まとめ
FIREとは、Financial Independent Retire Early = 経済的自立、早期引退の略で、「好きな事して生きて行く」または「働かないでも生きて行く」為に。働かない状態が続いても、一定の収入が得られる基盤を作る事であり、そうする事で、会社に縛られず、好きな事、エンジニアであれば、自分の好きな物を好きなように設計できるような道を探したり、起業したり、そういった自由を手に入れる事です。
しかしながら、現在の日本のモノづくり企業の年収事情を考慮すると、例え成功者であっても、従業員であり、その収入を貯金しているだけでは、この状態になる事は現実的には不可能です。
FIREを実現する為には、お金からお金を生む仕組みを作り出す必要があり、その手段として、インデックス投資が挙げられます。アクティブ投資のようなギャンブルではなく、長期目線のインデックス投資を進めていく事で、投資による収入が、自分の目的となる支出を超えられるよう、日々投資をしていく事で、複利のちからを最大限に活用し、1億という資産を築く事も不可能ではありません。
目標金額によっては厳しい道のりかもしれませんが、それを乗り越えた先には本当の自由が待っていると思います。そう言っている私自身もまだ道半ばですが、必ずFIRE出来るよう、地道にかつ着実に前へ進んでいこうと思います。
投資に関しては他の記事も書いておりますので、よろしければご覧ください。
日本のものづくり企業で働くエンジニアが投資でお金持ちになる方法
積立NISAのおすすめ銘柄と運用実績。投資をするなら絶対利用した方が良い。
✓むすび
投資に関しては別の記事で詳しく説明していこうと思いますが、下記の書籍等で、私も非常に感銘を受け、人生観を変える事ができ、もっと早く出逢っていればと思いました。紹介をさせていただきたいと思います。
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