投資信託を申し込む時、分配金を受け取るのか、再投資にするかの選択で迷われている方、多いと思います。またそれを選んだ後、分配金が振り込まれていない。再投資って本当にされているの?と疑問に思われている方も多いと思います。そういった方向けに、分配金と受け取りと再投資について分かりやすく解説したいと思います。
投資信託の分配金とは?配当金との違いを解説
まず、投資信託を初めて始めた方向けに、分配金と配当金について簡単に解説したいと思います。登場するのは、次の4人です。(かなり端折っていますので、詳しく知りたい方は専門のページをご覧ください)
【分配金と配当金】
■投資家(あなた)
↓投資 ↑分配金
■証券会社(楽天やSBI証券など)
↓投資
■運用会社
↓投資 ↑配当金
■企業
まず投資家であるあなたは、証券会社に対し、投資をします。そうすると、商品ごとに運用会社があり、その運用会社が集めた資金を使って、各企業へ投資をします。各企業へ投資をするので、その配当金が運用会社に入ります。配当金を元に分配金を証券会社が決め、投資家に分配するのが分配金です。
つまり、
配当金とは:企業から運用会社へ支払う配当
分配金とは:証券会社から投資家へ支払うお金
分配金は受け取りと再投資のどちらが良い?
配当金と分配金とは何かが分かったところで、次は、証券会社で購入設定する時に、分配金を受け取るのか、再投資をするのかを聞かれる場面があると思います。どちらがお得か?という疑問に対してですが、次の通り、人により変わりますので、自身の投資スタイルに応じて検討が必要です。
・短期で収入が手元にほしいと思っている方は、受け取り
・長期で資産を貯めたいと思っている方は、再投資
こういった分類になります。
短期ですぐに分配金が欲しいと思われている方は、分配金は受け取り設定にしてください。ただし分配金にも税金がかかってしまいますので、そこは注意です。普通分配金の税率は20.315%(所得税15%、住民税5%)で徴収されてしまいますので、仮に分配金が10万だとしても、20%引かれた8万が手元に届く事になります。
一方再投資を選ぶ場合は、配当金がそのまま再投資されますので、税金が引かれる事はありません。「複利の力」がそのまま利用できますので、長期投資を考えられている方は、再投資がお勧めです。
複利に関しては下記の記事も参照頂ければと思います。
参考:ものづくりエンジニアが1億円貯めて「FIRE」する為の方法
参考:積立NISAのおすすめ銘柄と運用実績。投資をするなら絶対利用した方が良い。
分配金はいつ入る?
それでは、分配金を「受け取り」にした場合の分配金が入る時期について解説したいと思います。
商品によって異なりますが、「決算日」である事が多いです。各商品を購入する時に確認しましょう。
しかし、ここで注意点があります。
分配金が欲しいと思っている方は、その商品がそもそも分配金を出す商品かどうかを必ず確認しましょう。先程購入の際に分配金を「受け取り」と「再投資」を選択すると言いましたが、商品によってはそもそも分配金が無いという物も多数存在します。
もし分配金が無い製品を選択している場合、いくら購入時に「受け取り」を選んでも受け取れません。
つまり、
①商品自体で分配金がある銘柄を選ぶ
②証券会社から購入時に分配金の「受け取り」を選ぶ
この2点を選ばない限り分配金を受け取る事はできません。
そして、多くの方がNISAで積み立てを実施していると思いますが、NISAで準備されている投資信託の商品のほとんどは、「分配金が無い商品」です。つまりいくら待っても分配金は入りません。
理由は、元々長期積み立てを前提とした制度であり、再投資を前提とされている為、短期で分配金をもらえるような商品は準備されていないという訳です。
下記記事でも紹介したこれらの商品は非常に有名だと思いますが、すべて分配金はありません。
参考:日本のものづくり企業で働くエンジニアが投資でお金持ちになる方法
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
・楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))
SBI証券を使っている方は、該当投資信託のページから「分配金実績」を見ていただくと、このように「0円」になっている事が分かると思います。
再投資はどのように行われるの?
それでは再投資について解説しようと思います。私もしばらくの間大きく勘違いをしていました。
再投資について説明している多くのサイトでは、再投資の説明は次のように書かれています。
投資信託の運用期間中に支払われた分配金を再び同じファンドに投資すること。
この文章だけ聞くと、受け取る予定の分配金を受け取らずに、そのお金で商品を購入する事。
と思われがちです。
しかしながら、そもそも分配金がない商品の場合どうでしょうか?皆様の証券会社のサイトの履歴で、自動で商品を購入しているような履歴は見つからないと思います。
つまり、多くのS&P500を扱っている投資信託では、投資家である、あなたの講座の中では、再投資されていないのです。
どういう事?
簡単にいうと、運用会社が自動的に企業から得た配当金を使って再投資をしているのです。つまり個人の講座の中で、再投資をしているわけではありません。
え?
と思うかもしれませんが、つまりこういう事です。
投資信託を購入する時に、「基準価額」という数値を気にして購入すると思いますが、要するにこの金額が上がっていけば、自身の資産も増える事になります。この「基準価額」がどのように決まっているかというと、次の式です。
■基準価額 = 純総資産額 / 総口数
純総資産額は、総資産額 – 総負債額で計算できますが、一旦、この商品に投資されているすべてのお金というイメージでとらえてください。
総口数とは、すべての口数です。口数とは取引単位です。
この式で、基準価格を上げるにはどうしたらよいでしょうか?
純総資産額を増やす。もしくは総口数を減らす。
この2つの方法しかありません。口数の方は減らせばそれに伴い、総資産額も減ってしまいますので、
口数を変えずに純総資産額を上げるにはどうしたらよいか?
それが配当金です。
企業からの配当金が入る事で、それを分配金として投資家に戻さず、純総資産額に上乗せする事で、口数は変わらず、純総資産額だけが増える事になります。
結果、基準価格が上がるので、投資家(あなた)の資産も増える事になります。
まとめると、次のような文章が適切かと思います。
分配金なしの商品の再投資とは、企業から得た配当金を、投資家へ分配せず、運用会社が再投資する事。そしてその結果、基準価額が上がり、投資家へ還元される投資方法
これが投資信託の再投資の仕組みの1つであり、多くの方が、活用しているS&P500の投資信託のほとんどがこの方法となります。
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