Galaxy S23 Ultra 2億画素カメラのイメージセンサ―を解説

ISOCELL

世界ではiPhoneを超え世界1位の売上となっている、Samsung(サムスン)のGalaxy(ギャラクシー)ですが、S23 ultraのカメラはなんと2億画素のカメラが使われているとの事です。そのカメラの性能に寄与している、イメージセンサーについて今回は解説していこうと思います。

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スマホ世界シェア

まずは、スマホの販売世界シェアを見ていきましょう。日本では、ダントツにiPhoneが売れている印象ですが、世界では異なるようです。

下のグラフは2016年から2022年までの世界のモバイル機種シェアの推移を表したグラフです。非常に僅差ではありますが、世界シェア1位はAppleではなくSamsungになります。

そこで今回は最新シリーズ、ギャラクシーS23ultraに注目し、特に注目されている2億画素のカメラとイメージセンサ―についてまとめたいと思います。

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S23 ultraカメラ

それでは、まずはカメラ全体の仕様から見ていきましょう。仕様まとめは下の表の通りとなります。ズームに関して仕様の見方は下記の記事も参照お願いいたします。

参考:iPhone13Proの技術仕様をわかりやすく解説。光学ズーム、デジタルズーム編

オートフォーカスやOISに関する記事は下記参照お願いいたします。

参考:iPhone13Proの技術仕様を分かりやすく解説。レンズアクチュエータ編

アウトカメラ画素数200.0 MP、10.0 MP、12.0MP、10.0MP
F値F1.7、 F4.9、 F2.2、 F2.4
オートフォーカス対応
OIS対応
ズーム光学(3倍、10倍)デジタルズーム100倍
カメラフラッシュ対応
インカメラ画素数12.0MP
F値F2.2
オートフォーカス対応

その他、S23ultraの動画撮影機能としては、次のような仕様となります。

ビデオ撮影:UHD 8K (7680 x 4320)@30fp

スローモーション:960fps @FHD, 240fps @FHD

下の図は、S23 ultraを分解した写真で、赤枠で囲っている物が、今回の2億画素カメラのモジュールです。大きいですね^ ^

2億画素イメージセンサ ISOCELL HP2

2億画素のイメージセンサはサムスン自社製で、ISOCELL HP2と呼ばれています。ISOCELLとは技術の名前で、HP2というのが、型番のようにセンサー固有につけられている名称です

この2億画素のイメージセンサ―は、ただ画素数が多いだけではなく、様々な技術が入っているようですので、1つ1つ見ていきましょう。

ISOCELLとは

ISOCELLテクノロジーとは、各画素をパーティションで分離することにより、異なる色の画素間での光の干渉を防止する技術です。ISOCELLテクノロジーで3種類の光(R、G、B)が混合することを防止し、それぞれのフォトダイオードに正確に到達するようにする事で、色再現性が大いに改善されノイズが低下されています。

イメージは↓の図の通りです。画素間が分離できていないと、左下の図のように、他の画素の光が漏れ込む事で、色の混合が発生するのに対し、ISOCELL技術では、右下のように、画素間の壁をしっかりつける事で、光が隣の画素に漏れ込む事を防いています。

画素ビニングテクノロジー

S23 ultraに使われているイメージセンサ―は、最新テクノロジーのTetra2pixel構造となっています。これは、同色画素が4×4ならんでいる配列(下の一番左)となっており。この4×4の画素を1つの画素とみなす事も、その内の2×2を1つの画素とみなす事も可能です。

このように複数の画素を組み合わせて、あたかも1つの画素として扱う事をビニングと言います。

暗い環境ではいくつかの隣接画素が単一の大きな画素にまとめられ、大きな画素になり、暗闇であっても非常に多くの光を取り込む事が可能です。
反対に、明るい環境では再モザイクアルゴリズムを適用して画素をRGBパターンに再配列することにより、すべての独立した画素を使用して2億画素の解像度を得る事が出来ます。(下右図)

スーパーQPDテクノロジー

QPDとは、「Quad Phase Detection」の略で、位相差オートフォーカスの事です。

位相差オートフォーカスとは、人の目がものを捉える時、左右の面でピントを無意識に合わせている原理を利用した物で、隣り合う画素に入った光の位相を測定し、その差を算出してピントを合わせる仕組みです。

以前のイメージセンサーは、センサー全体に埋め込まれたオートフォーカス専用の画素を使って実現しおりましたが、 オートフォーカス専用の画素を増やせば、早くピントを合わせられるのですが、その分だけ色情報を取得できなくなり、画質を低下させてしまうという課題がありました。

このQPDテクノロジーは、オートフォーカス専用の画素ではなく、上下左右の画素の位相差を利用して、より速く正確に焦点を合わす事で、画質を低下させる事なく、ピントを合わせる事が可能となります。

イメージは下の図です。

単一のマイクロレンズが隣接する4つのピクセルを使用して、水平方向と垂直方向の両方の位相差を検出します。これにより、高速で高精度なオートフォーカスが実現できる仕組みです。

0.6um画素

業界最小の画素サイズです。2億画素ありますので、1つの画素サイズが大きいと、イメージセンサ自体が大きくなってしまい、結果的にカメラモジュールも大きく、スマホに搭載できなくなってしまいます。

スマホのサイズを変えずにカメラの画素数を増やすには画素のサイズを小さくするしかありませんので、画素の微細化技術が非常に重要になってきます。

この0.6umというのはソニー製のどのイメージャよりも小さい為、微細化技術はサムスンに軍配が上がっているようにも感じます。

まとめ

Samsung(サムスン)のGalaxy(ギャラクシー)、S23 ultraのカメラに使われている2億画素のイメージセンサについてまとめました。画素数だけでなく、ISOCELL、ビニング、QPD、画素サイズと、様々な技術が詰まっているようです。

一度手に取って撮影してみても良いかもしれません。よくライブなどで、遠くから写真を撮り、拡大しても綺麗に見える。という事で話題にもなってますね。

S23とS22の比較は下記

参考:Galaxy S23 Ultra と S22 Ultra の仕様を比較してみた

iPhone14とS22 ultraの比較は下記

参考:iPhone14 ProMaxとGalaxy S22 Ultra スペック比較

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