カメラが出力する、デジタル・ビデオ信号に関する規格と用語16選

カメラが出力する、デジタル・ビデオ信号に関する規格と用語16選

ビデオカメラが出力するデジタルビデオ信号に関する用語を解説したいと思います。基本的なビデオ信号の用語を始め、ビデオ信号のフォーマット、デジタルビデオ信号に関係した規格を用語集として解説していきたいと思います。

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色空間

人間が認識できる色を2~4次元空間にマッピングした物で、軸の選び方でRGB,YUV,YIQ,CMYK,XY等の種類がある。一般的にはRGBとYUVが有名であり、多くのイメージセンサや映像関連の半導体は、RGB、YUVを扱う場合が多い。

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RGB

色空間の1つ。光の3原色に対応する、赤(R)の軸、緑(G)の軸、青(B)の軸の3つの軸をもつ。ディスプレイ(デジカメの画面や、スマホの画面、PCのモニタ等)も多くがこの光の3原色を用いて表示するものが基本であり、デジタルカメラの映像をRGBの色空間で出力するとそのままディスプレイに表示できるという容易性がある。

YUV

色空間の1つで、輝度(Y)軸1つと色差(UV)軸2つの合計3つの軸をもつ色空間。

人間の目が輝度の変化に敏感である事に対し、色の変化には鈍感な為に、色差情報(色の情報)を減らしてデータを圧縮したフォーマットとなる。U,Vは Cb,Cr や Pb,Pr 、(B-Y),(R-Y)と表現される事もあるが、全部同じ。YUV422というフォーマットが有名。(後述します)

アスペクト比

横と縦の画面のサイズの比率の事。

一昔前は、アスペクト比率4:3が多かったですが、その後、液晶テレビが出始めてからは、ハイビジョン(1280×720)やフルハイビジョン(1920×1080)、4K(3840×2160)と16:9の横長の画面に変わっていきました。その為、TVに写す事を考えると、動画撮影はこのアスペクト比が多い。また、スマホが普及し、スマホ会社がディスプレイのアスペクト比を自由に設定するようになっていった為、スマホは各社アスペクト比がバラバラ。iponeの例でも下のように世代ごとにアスペクト比の異なるディスプレイを使っています。

デバイス名世代日本発売年インチ画面解像度
(短辺×長辺)
アスペクト比
iPhone第1世代20073.5320×4802:3
iPhone 3G第2世代20083.5320×4802:3
iPhone 3GS第3世代20093.5320×4802:3
iPhone 4第4世代20103.5640×9602:3
iPhone 4s第5世代20113.5640×9602:3
iPhone 5第6世代20124640×1136(約)40:71
iPhone 5c第7世代20134640×11369:16
iPhone 5s第7世代20134640×11369:16
iPhone 6第8世代20144.7750×13349:16
iPhone 6 Plus第8世代20145.51080×19209:16
iPhone 6s第9世代20154.7750×13349:16
iPhone 6s Plus第9世代20155.51080×19209:16
iPhone SE第9世代20164640×11369:16
iPhone 7第10世代20164.7750×13349:16
iPhone 7 Plus第10世代20165.51080×19209:16
iPhone 8第11世代20174.7750×13349:16
iPhone 8 Plus第11世代20175.51080×19209:16
iPhone X第11世代20175.81125×24369:19.5
iPhone XS第12世代20185.81125×24369:19.5
iPhone XS Max第12世代20186.51242×26889:19.5
iPhone XR第12世代20186.1828×17929:19.5
iPhone 11第13世代20196.1828×17929:19.5
iPhone 11 Pro第13世代20195.81125×24369:19.5
iPhone 11 Pro Max第13世代20196.51242×26889:19.5
iPhone SE
(2nd generation)
第13世代20204.7750×13349:16
iPhone 12 mini第14世代20205.4
(※5.42)
1080×23409:19.5
iPhone 12第14世代20206.1
(※6.06)
1170×25329:19.5
iPhone 12 Pro第14世代20206.1
(※6.06)
1170×25329:19.5
iPhone 12 Pro Max第14世代20206.7
(※6.68)
1284×27789:19.5
iPhone 13 mini第15世代20215.4
(※5.42)
1080×23409:19.5
iPhone 13第15世代20216.1
(※6.06)
1170×25329:19.5

解像度

意外に混乱しがちですが、レンズの世界で言われる、アナログ的な解像度(下記の記事参照)とどれだけの数のピクセルがあるのか、(表示できるのか)で決定される、デジタル的な解像度の2つがある。時と場合により使い分ける必要があるが、デジタル信号の会話をしている場面で解像度といったら、後者のピクセル数を指す事が多い。

参考:カメラ開発に関わるエンジニアの為の、カメラの客観的評価方法7選

VGA(Video Graphics Array)

パソコンとモニタを接続する時のアナログ信号の規格。最近はあまりないかもしれませんが、モニタとパソコンを接続する時、青色のコネクタをもつケーブルで接続された経験があると思います。その規格です。

一般には、640×480ピクセルのサイズを示す単語として使われる。

ハイビジョン(HD)

ハイビジョンは1280×720の解像度の事を言います。HDは何の略かというと、HighDefinition(高解像度)の略で、HDテレビ(HDTV:High-Definition Television)の規格に基づいています。

フルハイビジョン(FHD)

フルハイビジョンは、1920×1080の解像度の事を言います。

4K

4Kとは3840×2160の解像度の事を言います。ちなみにその延長で、8Kとは7680×4320の解像度の事を言います。

NTSC

アナログテレビの時代に使われていた、日本やアメリカのテレビ信号形式です。今でもアナログ信号として使われる場面もあります。本来はカラーテレビの色を符号化する方法の1つなのですが、60Hz(30フレーム/秒)のテレビ方式を指すものとして使われる事が多いです。

PAL

アナログテレビの時代に使われていた、 イギリスやドイツなどのテレビ信号形式です。本来はNTSC同様にカラーテレビの色を符号化する方法の1つなのですが、50Hz(25フレーム/秒)のテレビ方式を示すものとして使われる事が多い。

インターレース

フレームを奇数ラインと偶数ラインに分けて、交互に出力する形式。

プログレッシブ(ノンインターレース)

フレームをフィールドに分割せず、そのまま出力する形式。パソコン用のモニタでの映像表示方式。

RGB444フォーマット

CMOS,CCDのイメージセンサの各ピクセルに配置されたR,G,Bの画素を、下図の黄色矢印、ピンク矢印のように、4つの画素のR,G,G,Bの色データを使って1ピクセルを生成するフォーマットの事を言います。Gは2画素存在するので、この2画素を使って表現します。

黄色の枠の例の場合は、Rは左下の画素、Gは左上と右下の平均、Bは右上の画素のデータを使って1ピクセルが生成され、

ピンクの枠の場合は、Rは右下の画素、Gは右上と左下の平均、Bは左上の画素を使って1ピクセルが生成されます。

RGB444の444とは、下の図のように、4つのピクセルに、R,G,Bそれぞれ4つ存在している所から、444を名付けられています。

RGB444フォーマット

YUV422フォーマット

YUV422とは、CMOS,CCDのRGBの配列をYUVの色空間に変換したフォーマットの事を言います。ここで注意点として、輝度を表すYは全ピクセルで独立していますが、U,Vの情報は下図のように2つのピクセルで共有する事になります。

下の図で説明すると、まず1ピクセル目のYは黄色枠で囲んだR,G,Bから下の計算式で求められます、1,2ピクセル共通のU,Vも同様、黄色の枠の中のR,G,Bから下の計算式で求められます。2ピクセル目のYは、ピンクの四角で囲われた、R,G,Bのデータから下の計算式で求められます。

 Y =  0.299 x R + 0.587  x G + 0.114  x B
 U = -0.169 x R - 0.3316 x G + 0.500  x B
 V =  0.500 x R - 0.4186 x G - 0.0813 x B
YUV422フォーマット

下記の記事にも説明がありますので、よろしければご覧いただければ幸いです。

参考:モノづくりエンジニアの為の、CMOSイメージセンサの基本原理

RAWフォーマット

Rawフォーマットとは、CCD,CMOSイメージセンサの1画素がそのまま1ピクセルとして出力される形式を言い見ます。イメージは下図で、変換なく、そのままの生のデータという事で、Rawデータとよく言われます。

RAWフォーマット

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