iPhone13Proの技術仕様をわかりやすく解説。光学ズーム、デジタルズーム編

iPhone13Proの技術仕様をわかりやすく解説。光学ズーム、デジタルズーム編

iPhoneがリリースされると、ホームページにその技術仕様が公開されます。しかしながらその仕様を深く理解する事は難しいのではないでしょうか?その結果、バージョンが上がった時に何が変わったのか分からないという事も少なくないと思います。本記事では、iPhoneだけでなく、その他のスマートフォンにも共通して使える、スマホの仕様が読めるようになる為の解説を、技術的に、かつ出来るだけ分かりやすくしていきたいと思います。今回はカメラの光学ズーム、デジタルズーム編です。

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iPhone13Pro仕様一覧

まず今回の記事のターゲットとなる、カメラ部の仕様は次の通りとなります。(今回は代表してiPhone13Proの仕様を例としていますが。他のスマホもご要望があれば解説していきたいと思います。)その中で、本記事では赤枠で囲った部分について解説したいと思います。

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光学ズームとデジタルズームの違い

まずは光学ズームとデジタルズームの違いについて解説したいと思います。

・光学ズーム

光学ズームは、レンズの位置を変える事によって、焦点距離を変化させ、光学的に被写体を拡大して写す方法です。焦点距離は下記リンク先でも解説しているので、よろしかったらご覧ください。

参考:【カメラ】レンズの基礎知識入門、レンズ構成、レンズのスペックを分かりやすく解説

イメージャサイズが同じである場合、焦点距離が変わると画角が変わります。下の様なイメージで、

焦点距離が小さくなれば画角が大きくなり、(下左図)

焦点距離が大きくなれば、画角は小さくなります。(下右図)

イメージャが同じなので、画角が小さくなっても、その撮像エリアの解像度は変わりません。画角が小さくなり、解像度が同じという事は、被写体が拡大して見え、かつ解像度は変わらない。という事になります。むしろある特定部分だけで考えれば、そのエリアの解像度は高くなります。

つまりこういうイメージです。左の画像がズームしていない画像だとして、解像度は1920×1080と仮定し、2倍のズームをすると、真ん中の富士山が大きく写ります。イメージセンサは変わらないので、右のズーム後の解像度も1920×1080画素になります。そして、富士山の山の部分だけに着目すると、ズームした右の画像の方が、富士山のエリアの画素の数は多くなるので、富士山はより鮮明に見えるようになります。

これが光学ズームです。

・デジタルズーム

デジタルズームとは、レンズ自体は動かさず、撮像した画像の一部を拡大する事で被写体の大きさを拡大するものです。拡大する際に、解像度を復元(切り出す前と同じ解像度になるようにする事)する為、補完技術を活用し、あたかも光学ズームで撮影したかのように拡大しますが、補完技術の性能によっては、デジタルズームを行うと、画面が荒くなる事があります。イメージは下の図の通りです。

左の1920×1080画素の画像を2倍に拡大する手順は下の通りです。

1.オレンジで囲んだ部分を切り出す

2.切り出した画素サイズは、元の画素の半分、960×540画素となる。

3.860×540画素を補完技術を使いながら引き延ばし、1920×1080画素にする。

下はただの例なので、わざとらしく荒い絵としていますが、少なからずiPhoneでもデジタルズームを活用すると、画面が荒くなる事は、経験があるのではないでしょうか?

iPhone13とProの光学、デジタルズームの仕様

それではこれまでの原理を踏まえ、iPhone13と、13Proの仕様を見ていきましょう。

iPhone13Proの仕様は下記

iPhone13の仕様は下記

それぞれの用語の説明は下記です。

・ズームイン…拡大

・ズームアウト…縮小

・ズームレンジ…ズームの範囲

つまり、

・3倍の光学ズームイン…光学ズームで3倍拡大できる

・2倍の光学ズームアウト…光学ズームで1/2に縮小できる

・6倍のズームレンジ…1/2の縮小から3倍の拡大で、2×3=6で最小から最大で6倍の大きさの差

という事です。

ここで注意ですが、この仕様は3倍に、拡大出来る。という意味で、1~3倍までは光学的にズームでリニア拡大出来る。ではありません。また、1/2に縮小できる。という意味で、1/2~1倍の間を光学的にリニアにズームできる。ではありません。

つまりこれは、ただ単純にカメラを切り替えているだけです。

御存知の通り、iPhone13Proには3種のカメラが搭載されており、広角、超広角、望遠の3種があります。iPhoneの画面下にこのように、「1x」、「3」、「.5」 と記載されていると思いますが、「1x」は広角カメラ仕様、それを基準に「3」は3倍拡大するという意味の望遠カメラ、「.5」は0.5倍、つまり被写体を1/2のサイズし、その分視野を広げるという事で、超広角となります。

つまりこのボタンを押すと、使われるカメラが変わる事になります。そして、1xの状態で画面をピンチアウトしていくと、画面が拡大していきますが、1.1~2.9倍までの拡大は光学ズームではなく、デジタルズームです。そして3倍になると、望遠カメラに切り替わり、光学3倍ズームになります。

縮小も同じで、.5倍を選択すると、超広角カメラに切り替わります。そして、0.9倍までは超広角カメラのデジタルズーム、1倍になると、広角カメラに切り替わる。という仕様です。

つまりiPnone13Proのズーム仕様は下記

同様にiPhone13の場合は下記

よって、0.9倍で使うのであれば、1倍にした方がデジタルズームの無い画像となりますので、画質は良くなりますし、2.9倍で使うのであれば、3倍にした方がデジタルズームの無い画像となりますので、画質は良くなる。という事になります。

動画でも解説しておりますので、よろしかったらご覧ください。

下記で他iPhoneの仕様を解説しています。

参考:iPhone15 Pro MaxとiPhon14 Pro Max の仕様を比較してみた

参考:どこがすごい?iPhone14のカメラ。技術仕様を簡単に解説します。

参考:iPhoneの技術仕様を分かりやすく解説。その1:レンズ仕様編

参考:iPhone13Proの技術仕様を分かりやすく解説。レンズアクチュエータ編

参考:iPhone13Proの技術仕様をわかりやすく解説。LiDARスキャナ編

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